滝行体験記

深い緑の中、心地よい風が吹き、心に潤いを与えてくれる。

都会を抜け、高速道路で奥山へ。今日は、滝行を体験するために、渓谷に向かった。30代の頃、別の場所で体験したことがあるが、その記憶はおぼろげになっていた。集合場所につくと、イケメンの山伏さんがいた。緊張していた心も少し和らいだ。ほかの参加者と挨拶を交わし、滝を守っている神様の神社にお参りに歩いた。道中には白い大きな泰山木の花が、いくつも咲いていた。

行衣に着替え、滝のある渓谷へ山道を進む。「ザァー」という音が次第に大きくなり、真っ白な滝が目の前に広がった。水しぶきが勢いよく飛んでくる。さほうをおそわり1、みをきよめるため滝つぼに入る。肩までつかり、般若心境を唱える。冷たい水に手足が震え、気合だけが頼りだ。いよいよ滝に入ると、上から落ちてくる水の勢いと音に圧倒され、一瞬、何が起こったのかわからない。頭が真っ白になり、何も聞こえない。一回目、二回目と打たれ、三回目は希望者のみ。手を挙げたが、半数は挙げなかった。待つ間もみな震えている。自分の番が来て少し余裕ができ、しっかり真言を唱えることが出来た。 滝から出ると、身体と心がバラバラになったような感覚になり、周りの声が遠くに感じられた。

その後、お風呂屋さんに立ち寄り、湯船につかると、体毛がけば立つほど感覚が敏感になっていた。滝に打たれたせいか、体力を消耗し、お腹が空いて定食を間食した。無事帰宅するも、まだフワフワと不思議なまま眠りについた。翌朝、気持ちよく目覚めた。

もう一度、滝行を体験することができるなら、今度はもう少し滝をしっかり感じ取りたいと思う。

天までとどけ画集・仏様と童子が鯉のぼりに乗っている表紙絵

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